最近,若い男性のあいだで化粧が一般化しつつあります.
でも,「男が化粧なんて」という方は少なくないのではないでしょうか.
それは,きっと性役割観(社会的につくられた性に対する意味づけ)に,男性への化粧期待が入っていないからです.
これまでは,「男は顔じゃない」と言われてきました.
ゆえに,顔を気にすることは男性のすることではないとする価値観の中で育ってきた世代にとっては,男性には心や肉体的な強さを求め,男性化粧などは考えられず,「軟弱そのもの!」でしかないのではないでしょうか.
そのため,お姉キャラの芸能人(山咲トオルや仮屋崎省吾など)の登場と関連して男性の化粧理由に,男性の「女性化」,つまり女らしくなった男性の増加をあげる人も少なくありません.
ところが,平松らが2003年に男子学生について調査したところ,「男らしさ」の高い人ほど化粧をよく行っていることが明らかになりました.
つまり,「女らしい」男性の増加とは裏腹に,「男らしい」男性ほど化粧をしているのです.
この理由として,一つには化粧による「男らしさ」の表現があると考えられます.
女性が化粧で女らしさを表現するように,男性も化粧で男らしさを表現すようになってきたのです.
「METROSEXUAL - メトロセクシャル」という言葉をよく聞きます.
彼らは,新しい「男らしさ」を実践しているのではないでしょうか.
確かに,ジムで身体を,読書で心を鍛えるよりも,化粧でサラサラ髪やスベスベ肌にしたり,きりっとした眉を描いた方が手っ取り早く,また見た目にも「男らしさ」は伝わりやすいのかもしれません.
【原著】
平松隆円 2005 化粧をする男性の心理,コラム 顔と心と体,フェイシャルセラピスト協会会報誌,3,p.5